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会場は有楽町マルイの8階。会場内にはメッセージノート(というか市販のスケッチブック)が設置してありました。私は特にメッセージは残しませんでしたが、メッセージにイラストを添えている方も多かったです。




 私は「いのまたむつみ」さんと聞いてまず『幻夢戦記レダ』を思い出すのですが、全盛期はそれより少し後の1990年代以降で、展示は『宇宙皇子』『風の大陸』『小説ドラゴンクエスト』『新世紀GPXサイバーフォーミュラ』『ブレンパワード』『テイルズ オブ』の原画が中心でした。私の世代には『宇宙戦士バルディオス』の絵コンテや『魔境伝説アクロバンチ』の設定画が懐かしかったですね。肝心の『レダ』は最後のガラスケースに原画が少しだけ展示してありました(説明がなかったのでおそらく、ですが)。

 1980年代の半ばまでキャラクターデザインや作画監督といった要職は安彦良和、湖川友謙、美樹本晴彦といった男性陣が独占していたのですが、この頃から女性アニメーターの台頭が始まり、いのまたむつみさんや高田明美さんがその先陣を切っていました。私は『クリーミーマミ』の高田さんより、少女漫画の影響が濃い、いのまたさんの方が好みだったのですが、この頃からアニメを観なくなってしまったので、その後の活躍は残念ながら存じ上げておりません。

 そんな「とってもライトなファン」(笑)である私がなぜ訪問したのかというと、やはり「イラスト原画を見てみたい」という目的があったからです。私はアナログ時代からのグラフィックデザイナーとして、イラストレーターがアナログでイラストを描くプロセスは身近に見てきましたし、知識もあるのですが、氏がどのようにして数々の素晴らしいイラストを生み出していたのか、とても興味があったのです。見たところ方法論としてはとてもオーソドックスで、水彩紙にカラーインク(発色がいいのでおそらく、ですが)を薄く塗り重ねるというもので、ある種の懐かしさを覚えました。現在ではなかなか味わうことが難しくなったアナログ原画の大量展示(約90点あるそうです)は、デジタル絵しか知らない世代には新鮮に映るのではないでしょうか。

 氏がアニメ界に持ち込んだ少女漫画的なキャラクターデザインは、やがて「萌え」として花開くのですが、それを嫌った富野由悠季氏は『ブレンパワード』で「目を小さく描くように」と指示したそうです(笑)。その「萌えの源流のひとつ」として、今回の展示は氏の仕事をつぶさに観察できるチャンスです。今の世代に氏の名前はあまり知られていないかもしれませんが、アナログ原画を見る機会はあまりないので、会期は8月3日までと残すところ10日ほどになりましたが、デジ絵師だけでなく、アナログイラストに興味があったり、現在アナログに挑戦中の人もぜひ足を運んで欲しいな、と思います。