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私はTwitter歴は長いのですが、積極的に使い始めたのはここ2〜3年で、それまでブログの更新告知用にしか使っていませんでした。(photo:pixabay

 色々言われているTwitterの世界ですが、自分のアカウントの価値を測るのに「フォロワー数」というものがあります。一般的には「フォロワー数が多い=影響力が大きい」とされ、そういった人は俗に「インフルエンサー(情報拡散者)」と呼ばれています。そんなインフルエンサーになりたいと考える人が安易にフォロワー数を稼ぐために「フォロワーを金で買う」という方法があるのですが、Twitter社はそういった金で買ったアカウントなどを「偽アカウント」とし、そのアカウントに紐づいていたフォロワーを一斉に大量削除しました。それが最近発生したの「Twitterの偽アカウント大量削除」という措置で、その結果「フォロワー数の大幅減」という事態を招いたアカウントが頻出するという事態になりました。しかし、総じて数パーセントの減にとどまった場合が多かったようです。

 実はこの措置に影響を受けないフォロワー数を稼ぐ方法は他にもあるので、偽アカウントが大量削除されたからと言って「Twitterの世界が健全化された」と考えるのは早計です。一番簡単なのは「相互フォローアカウントをフォローする」という方法ですが、無名の一般人でさえ、この方法を使えばフォロワー数1000人を超えることはそんなに難しくありません。さらに現実に大きなコミュニティを抱えている組織(政治団体・思想団体・宗教団体・活動家・起業家・フリーランサーのグループなど)であれば、大量の複数アカウントと相互フォローを駆使する人海戦術で、何十万単位のフォロアー数に見せかけるのは実に簡単です。ただ、この方法にも欠点があって、フォローしてもらうにはフォロワーにならなければなりません。すなわちフォロー数とフォロワー数の比率が「フォロー≒フォロワー」や「フォロー>フォロワー」になってしまうのです。であれば、その逆の「フォロー<フォロワー」であるほど健全アカウントだと言えるでしょう。さらに、現実的にそのアカウントを運用するのならば、フォローは200人程度が限界です。それ以上になると流れてくるタイムラインの情報を追えなくなるからです(リスト化する方法もありますが、複数アカウントを使い分ける方が一般的)。

 以上の事実から、健全に運用され、信頼でき、フォローする価値があると言えるアカウントの条件は

フォロー<フォロワーであり、なおかつフォロー数が200人程度以下

であることが理解できるかと思います。フォロー数が1000人を超えていれば、そのアカウント主はタイムラインを見ていなくて、「単なる宣伝用のアカウントである」と考えて差し支えありません。この条件は絶対ではないですが(そもそもツイートの内容のレベルが低ければ意味ありません)、目安にはなるでしょう。

 逆にフォロー数が少ないアカウントにフォローされたということは、「その人の数少ないフォロワーに選ばれた」ということであり、それは「情報収集用アカウント」である可能性が高いと言えるでしょう。Twitterは複数アカウントで「宣伝用」「情報収集用」「近い友人・知人との連絡用」と使い分けている方も少なくなく、当然ですが、宣伝用アカウントにフォローされるより、情報収集用アカウントにフォローされる方が有意義であることは間違いありません。

 まあ、絵師さんが自作品の宣伝用や投下用にTwitterを利用している分には、そんな小難しいこと気にしなくてもいいかとは思いますし、その絵師さんのファンなら、素直にフォロワーになればいればいいと思います。現に私もそうしています。しかし、あまりにも「宣伝ありきの耳障りのいい抽象論」「耳目を集めたいがための極論・暴論・暴言」が飛び交っている現状は「うそはうそであると見抜ける人でないと(掲示板を使うのは)難しい」という、古参のネットユーザーにはおなじみの名言を思い出さずにはいられません。

 Twitterはフェイスブックやインスタグラムと違って「インフラSNS」という地位を確立しています(利用している公人・公共機関の数はそれこそ数え切れません)。であればそのアカウントの「透明性」「公正性」「正確性」を求められるのは当然ですし、今後そういった流れはますます加速するでしょう。この偽アカウント大量削除や、放置・不正使用アカウント凍結といった措置はその序章に過ぎない、と言えるではないでしょうか。

 Twitterの公平性、透明性には私も期待しています。今後の情勢を見守りたいと思います。