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 Apple Pencilが使えるiPad mini 5を入手し、暇を見つけては慣れるためにイラストを描いているのですが、下書きができた時点で「これをイラレに持っていってパスでトレースした方がラクなのになぁ〜」という欲求に勝てないでいます(笑)。イラレを使ったことがない方、もしくはイラレを触ってみたけどベジェ曲線に慣れずに挫折してしまった方にとっては、にわかに信じられない話かもしれませんが、これは厳然たる事実なのです。

 Apple Pencilでイラストを描こうと思った理由に、「作品絵を下書きから完成までペイント系アプリケーションで完結させる」という目標があります。現在、落書きやラフイラストはメディバンペイントやTayasui Sketches、Photoshop Sketchなどを使用していますが、将来のiPad版Photoshopのリリースを見越して、「下書き→線の整理→下絵→彩色→効果→完成」の一連の制作プロセスをペイント系アプリで完結すべく奮闘中です。でも、Apple Pencilで下絵線を正確に清書しようとすればするほど「ベジェ曲線の方が綺麗に正確に描けるんじゃ?」という悪魔の囁き(笑)が脳内を駆け巡るのです。

 私はグラフィックデザイナーという仕事柄、仕事の90%以上をイラレで作業していますが、むかしむかしのアナログ時代、サムネールやラフスケッチは手書きが当たり前でした。もっと言えばモノクロカンプ(デザイン見本)も手描きで作っていたし、カラーカンプに至ってやっと既存の印刷物の切り貼りやカラーコピーを駆使して作るといったありさまでした。ですのでその当時は、手描きでデザイン画を描く程度の画力は必要でしたし、「デザインする=手で描く」というのが当たり前の時代だったのです。

 しかし、デジタルでデザインをするようになって以来、手描きで描くのは打ち合わせ時のメモ書き程度。クライアントに提出するデザイン案はもちろん、サムネールや構成案などの前段階でさえイラレで組んでいます。もちろんその方が見栄えがするし、文字も打ち込むので読みやすいという理由もあり、それをクライアントから求められてもいるのですが、そんなことを繰り返す内に手で描くのが億劫になってしまいました。で、行き着いた先が「なんでもかんでもイラレで組んでしまうイラレ依存症」です(笑)。おそらく「なんでもかんでもエクセルに打ち込んでしまうエクセル依存症」や「なんでもかんでもパワポで組んでしまうパワポ依存症」などと同じようなものだとお考えいただければよろしいかと(汗)。まあ、立派な「職業病」と言えるかもしれませんね。