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当時「ものすごいものが出てきたな」と驚いたものです。

 私にとって「初音ミク(さん)」とは、「自分のバンドのボーカリスト」という位置付けで、キャラクターとしてはあまり意識したことはありません。ですので、ミクさんに関するもので所有しているのはこのパッケージソフトだけです。でも、イラストを描く際に題材にしたことはあります(これもイラレで描いています)。確かに可愛いですからね。

 全ては発売された2007年8月31日に始まったことは、よく知られていると思いますが、私がミクさんをボーカリストとして迎え入れたのは2011年になってからと随分と遅かったです。それはこの「初代・初音ミク」はWin専用で、Macで動かすにはブートキャンプ環境か、仮想Win環境が必要だったからです。初代は安定性に難があり、しょっちゅうダダをこねて落ちたり、プチノイズで嫌がらせをされたりと、ずいぶんなおてんばぶりで苦労させられました。それでも自分が作詞作曲した楽曲を健気に歌ってくれる姿(姿はありませんが。笑)には純粋に感動を覚えたものです。

 ところで私がミクさんを始めた2011年という年は、東日本に在住している方にとっては忘れられない年でした。あの一年は仕事のほとんどがすっ飛んで、私も「もう(この仕事も)これまでか」と若干腹を括った瞬間もありました。そんな時、ミクさんの可愛らしくもやさしい歌声に癒された・・・ということではなく(笑)、仕事で出口を失った創作エネルギーのはけ口(と言うとミクさんに失礼かな?)としての楽曲制作に没頭したのです。この時はイラストを描くことは全く頭の片隅にもよぎりませんでした。自分がイラストを描いていたことをすっかり忘れていたんですね。この頃からイラスト描きを再開していれば、今頃はもうちょっと上手くなっていたかも知れません。ちょっともったいないことをしました。

 今は楽曲制作は完全休業中ですが、そのうちまたやりたくなるでしょう。私は随分と長い間アマチュアバンド活動をしていましたが、「やりたい時」と「やりたくない時」が周期的に訪れることを理解しています。「やりたくなったらやればいい」そんなゆるいテンションだったからこそ、長く続いているんでしょうね。