apple_logo
歴代のAppleマーク三種。虹色マークは当初、印刷で色ズレするのを危惧して色の区切りにスミケイが入っていましたが、ジョブズの「美しくない」の一言で外されたと言う逸話があります。

 ネタばらしをすると、創業は1976年4月1日に「Apple Computer Company」として、1977年1月3日からは「Apple Computer, Inc.」を長きにわたって使用し、「Computer,」を外して現在の「Apple Inc.」になったのがこの年、この日というわけです。

 この「Apple」という社名ですが、「ジョブズが果実食主義者でリンゴ好きだったから」とか、「電話帳のアルファベット順で上位にくるから」とか、「ビートルズのアップルレコードからパクった」とか諸説ありますが、どれも公式には認められていないようです。まあ「好きに想像して」ということなんですが、創業時のロゴ(というか絵)を見るとニュートンがリンゴの木の下で本を読んでいて、その周りに「Newton… A Mind Forever Voyaging Through Strange Seas of Thought … Alone.(心は永遠に不思議な思考の海を旅する。一人で。)」と記されています。ニュートンとリンゴと言えば、万有引力の法則を発見したきっかけとして知られていますが、リンゴは聖書では禁断の果実であり、そして「知恵の実」でもあります。おそらくこの「知恵の実」こそがAppleの由来(ジョブズの真意)ではないかと私は考えています。

 Appleという会社が一般に広く知られるようになったのは「iPod mini 旋風」の2004年ごろからだと思いますが、この2007年にはすでにMac以外でもiPhone、iPod、iTunes、Apple TVとコンピュータ以外にもその商品カテゴリーを広げていました。ですのでこの「Computer」を外すと言う発表は、なんの反対もなく、ユーザーからは「いまさら?」「遅くね?」などという声も多く聞かれました。

 まあ、ビートルズが設立した会社、本家Apple Recordとの商標を巡る長年の裁判があり、それが決着したと発表されたのが2007年2月5日でしたので、この社名変更の発表の時点で「ああ、商標問題が解決したんだな」と感づいたユーザーも多かったはず。それがあってやっと晴れて「Apple」と名乗ることができるようになったのですが、現在「アップル」と聞いてビートルズを思い起こす人はかなりの少数派でしょう。それはそれで寂しいものです(泣)。