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手前が中古で買った2015年発売の「dynabook R63」、奥が新品で買った2016年発売の「MacBook Air」。似たようなスペックですが、その「思想」は全く違います。

 Macユーザー歴20年以上の私が初めてWindowsマシンを購入した経緯はこちらで記事にしましたが、Win機を触るのは今回が初めてではありません。何度か仕事で使ったことはあります。しかし「使う」と「管理する」は大違いです。使うのは妻であって私ではなく、私に課せられた使命は妻が快適にWin機を使えるように管理することです。管理するということは、ある程度Win機について知っておく必要があります。

 まずは「回復メディア」を作成しなければならないそうなので、届いてまずこの作業をしました。次にセットアップですが、WinはMacよりはるかに設定項目が多く、非常に細かく設定ができます。Winに比べればMacは完全にブラックボックス。ユーザーが触れる部分は非常に少ないです(レジストリやターミナルは例外とします)。これは優劣の差ではなくハードとOSとを別々に開発しているか、それとも一体で開発しているかの差でしょう。各メーカーのハードウェアの差をケアするには、OSである程度深い部分まで手を入れられるようにしておかなければなりませんからね。PCを自作するようなマニアがMacを使わないのは道理です。

 一通りの初期設定を終えたので、MacユーザーがWin機に感じるデメリットを書いていきたいと思います。

(1)タッチパッドが使いにくい

 これはあちこちで言われていますが、本当に使いにくいです。それでもかなり設定で追い込んでネット閲覧やメール作成くらいならなんとかマウスなしで作業できるレベルにしました。Winユーザーがマウスばかり使っているのは大いに納得です。

(2)OS標準のメールソフトが使えない

 マイクロソフトとしてはOutlookを使って欲しいがために、わざとそうしているのでは?と思うくらい機能がないです。

(3)メーカーや機種固有の問題が多すぎで解決策が見つからない

 これは本当に困りました。Macの場合はどの機種でもバージョンが同じOSは、全く同じと言っていいのですが、Winは事情が違うようです。ですので、不明点をググっても必ず解決策に行き当たるとは限りません。これは本当に大変です。Win機は基本的にそのマシンにプリインストールされたOSで使用するようにできているらしく、OSのバージョンアップにハードウェアを必ず対応させるいうことではないようです。つまり機種固有の機能は付属するOSでしかサポートされない場合がある、ということです。ごく一般のユーザーや企業向けならOSのバージョンが上がった時点で買い替えになるんでしょう。中古のPCを新OSのクリーンインストールで買った私はそのリスクも込みだったのです。

(4)知っておかなければならないことや理解していなければならないことが多い

 中古でPCを買うということは、公式のサポートを受けられないということです。そうなると自己解決しか道はないのですが、Macに比べてWinは知っておかなければならないことや理解していなければならないことがかなり多いと感じました。多種多様なCPUやポート類、タッチパネルや指紋認証などMacにはないハードウェアの違い、そして何よりWindows10やMicrosoft Officeについての知識(OSのインストールにプロダクトキーが必要になるなんて・・・)。これらはWin機を使いこなすためには知っておかなければならないことです。逆に言えば、知らないで使うなら身近にサポートする人が必要になる、ということです。企業などではシステム管理専門の人員がその任に当たりますが、個人で使用する場合はPCに詳しい知人と知り合っておく必要があります(特に女性)。PCに比べて決して使い勝手が良いは言えない、iPadを始めとするタブレット端末があれだけ普及したのも(会社ではPC使っているけど、難しいので家ではタブレット)理解できます。

 他にも戸惑った部分はあったのですが、それらは慣れの問題もあるので採り上げませんでした。以上の4点は「どのMacユーザーでも感じる共通するWinのデメリット」だと認識していただければ良いかと思います。もちろんだからと言ってWin機を批判しているのではありません。そもそも想定される使用現場やユーザー層が全く違うのに、優劣を競っても仕方ないでしょう。もし、DTPの世界でWin機がデファクト・スタンダードになっていれば私は間違いなくWinユーザーになっていたと思います。私は好んでMacユーザーになったわけではありません。「業界がMac標準」だったのでそれに従ったに過ぎないのです(もっとも使い始めてからはファンになりましたが)。

 まあでも、ユーザーインターフィスの部分ではやはりMacの方が一日の長があるし、洗練もされています。プリインストールされているアプリケーションの充実度も全然違いますので大概のユーザーならアプリケーション購入の追加費用なしでいろんなことが可能になります。Officeに相当するアプリケーションのPages、Numbers、Keynoteはもちろん、楽曲制作にはGarageBand、映像編集にはiMove、それぞれ全てを無料で使うことができ、それはバージョンアップの際でも追加費用はかかりません。対するWinには忘れかけていたいわゆる「機械いじりの楽しさ」があります。問題にぶつかり、調べ、トライアンドエラーして解決する。そんな楽しさがWinにはあります。業務で使うのならそれは生産性の低下に他なりませんが、プライベートで使う分にはそれもありでしょう。カスタマイズのしごたえは充分すぎるくらいに充分です。それにアプリケーション(有償無償問わず)の数と種類はWinの圧勝です。ゲームするならWin一択ですしね(私はゲームはしませんが)。

 そして何より、多くのMacファンやユーザーが忘れてはならないのが「Appleの窮地を救ってくれたのはビル・ゲイツ」という事実です。1997年8月、瀕死の状態であったAppleに復帰したばかりのジョブスはマイクロソフトから1億5000万ドルもの資金援助を得て、それを足がかりに復活への道を歩み始めました。あの日、MacWorldでのスクリーン上に突然登場したビル・ゲイツには大変驚かされましたが、こんなことができるのもビル・ゲイツしかいないと感じたのも事実です。恩義を感じた私はそれからしばらくはMacにバンドルされていたOutlookとIEを愛用していたほどです。

 現在のiPodやiPhoneでAppleを知った層はご存知ない話かもしれません。それにジョブズの「思想」とやらにさんざん振り回された苦い思いなんて知る由もないでしょう(それについてはこのカテにまとめております。笑)。Win vs Macなどというのはもう昔話に過ぎません。どちらも一長一短あるし、そもそもその設計思想や開発経緯、使用環境、ユーザー層などがまるで違います。私は今回初めてWin機を本格的に触ってみて、その思いを一層強くしました。ですが、個人的なことを言えばやはりMacが好きです。Macには「モノを創ってみたい」という創作意欲を刺激させてくれる何かがあります。多くのクリエーターがMacを好んで使うのも、その「何か」があるからなんでしょうね。