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こんなにも透明感のある目の表現はイラレでないとなかなか難しい。




 私がイラレで萌え絵を描き始めた理由はここでご説明した通りなのですが、それでは何故今に至ってもペイント系ソフトに移行せず、ドロー系ソフトの代表格であるイラレで萌え絵を描こうと思っているかを記したいと思います。

 今回萌え絵を描き始めるにあたって、ラフスケッチで試行錯誤を繰り返しながら、世の中の絵師がどんな萌え絵を描いているのかをネット上で検索し、気に入った絵をどんどんフォルダに溜め込んで行きました。ところがある時、そのフォルダにある大量の萌え絵にいっさい「萌え」を感じていない自分に気がついたのです。もちろんテクニック的には私などより何百倍も上手で、可愛らしくてちょっとエッチな素晴らしい萌え絵たちばかりです。でも、それらの画は単に絵柄が好きだからという理由や、制作テクニックの参考になると思って集めていただけで、自分自身が「萌え」たから集めたものではなかったのです。

 私は困惑してしまいました。萌え絵を描きたいと思っている私自身が一番「萌え」の何たるかを分かっていない・・・。そう思った私は「萌え」とは何か、「萌え絵」とは何かを検証しました。その結果がこの記事です。そして「萌え絵」の定義ですが結論は

「萌え」に明確な客観的定義はなく、その人(鑑賞者)が「萌え」られればそれは「萌え」であり、それが絵であれば「萌え絵」になる。ただし私個人はwikiで解説されているような「一般的な萌え絵」の定義の絵にはまったく萌えない

でした。

 ならば、私が「萌え」と感じられる要素を書き出し、それを具現化する方法で画を制作すればいい。他の人がなんと言おうと、自分が「萌え」られる画でなければそれは「萌え絵」ではない、と開き直り、以下の要素を書き出してみました。

(1)可愛いらくて萌えられる女の子の画(少なくとも自分にとって)
(2)女の子らしい優しさが感じられる繊細な画
(3)透明感のあるキラキラした画
(4)まるでそこに存在するかのような、立体感のある画
(5)ちょっとドキっとする、柔らかくふくよかで色気のある画

 そして、これら要素を全てを包括できる言葉を見つけました。それは

「世界中のどこかを探せば実在しいているんじゃないか、と思わせるほど存在感のある美少女の絵」

です。

 よく冗談で「液晶画面の向こうに行きたい」とか「次元の壁を超えたい」という表現がネット上で飛び交いますが、それに似た感覚です。この感覚を抱けない画は、どんなに可愛くても、どんなに上手くても私にとってそれは「萌え絵」ではないのです。(1)から(5)の要素はこの言葉をより具体的に示したものだと言えるでしょう。ならば、この要素を具現化できる方法を模索すればいいのです。

 まず(1)ですが、これの成否は私が描くオリキャラが全てです。(2)の繊細さはイラレの方がより細かな描写ができるので有利です。主線を省いたコントラストの優しい表現がしやすいのもイラレならではです。(3)の透明感はペイント系でも可能ですが、私は求めているのはガラス細工を見るような透明感です。これもイラレの方が得意です。(4)の立体感ですが、萌え絵の立体感はあくまで二次元的な擬似立体感に過ぎません(アニメ塗りはその代表例)。私が望むのは「まるで画の中に存在しているかのような立体感」です。これはイラレで立体物を表現する方法が使えそうです。(5)はイラレの最も苦手な分野です。イラレは人間のような有機物より、機械のような無機物の描写に向いています。実際の作業でも髪の毛の描写でさんざん苦労させられています。でも「なんとかなるのではないか」という手応えも感じています。

 さて、ここまで書き出せば結論は明らかです。

「萌え絵の多くは、アニメ・マンガをその手本(ルーツ)としているため、そういった嗜好のあまりない私にとってそれらは魅力的に感じられない。そうではなく、やたらと大きい目や点で示す鼻など、萌え絵の記号は踏襲しつつも、よりリアルな空気感をまとった萌え絵こそが私が目指すべき萌え絵である。そしてそれを実現するのに一番適したソフトウェアはAdobe Illustratorである」

 こんな大上段に宣言したイラレ賛美をAdobe社の人がご覧になったら苦笑いされるでしょうね。「おいおい、そんなことに我が社を代表するキラーアプリを使うなよ」と(笑)。それはともかく、以上が私がイラレで萌え絵を描こうと思った理由になります。こうなったらとことんそのノウハウを突き詰めるつもりでいます。ご期待(?)ください!

2016年8月20日追記:『私がイラレで萌え絵を描く理由〜その後』という記事をアップいたしましたので、併せてご覧ください。