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私が描くこの画に私自身が「萌え」られなければそれは私にとって「萌え絵」ではない。そしてそれは見る人にとっても同様だ。




「一般的に言われる萌え絵の多くは、アニメ・マンガをその手本(ルーツ)としているため、そういった嗜好のあまりない私にとってそれらは魅力的に感じられない。そうではなく、やたらと大きい目や点で示す鼻など、萌え絵の記号は踏襲しつつも、よりリアルな空気感をまとった萌え絵こそが私が目指すべき萌え絵である」「そして今現在、私がそれらを具体的に表現できるツールはAdobe Illustratorしかない」」

 この記事で私がイラレで萌え絵を描く理由を多少大げさ気味に書いてみましたが、その後ペイント系ソフトで私が好む「透明感」や「空気感」を表現したイラストが多数描かれているのを発見し、ネットでもよく目かけるようになりました。そうなるとイラレ(Adobe Illustrator)はその特性上、むしろ描いた画がデジタル臭くなる、画が硬い、微調整にやたら時間がかかるなど、デメリットの方が多く感じられるようになってきました。

 正直、現状イラレでアウトプットしているレベルの画を、ペイント系ソフトでは描けない私としては、このままイラレを使い続けるしか選択肢は(今のところ)ないのですが、それでもイラレならではのメリットはあると感じています。前回の記事では観念論的な話でしたが、今回の『その後』では、もっと具体的なメリットをピックアップしてみたいと思います。


(1)データ量が軽い

(2)解像度に依存しない

(3)修正が画の製作段階のどの段階でも可能

(4)色や線の太さの変更が容易

(5)パーツの流用や改変が容易

(6)ペンタブ・液タブが不要で使い慣れたマウスで描ける



 (1)(2)についてはこのブログの「プロのイラストレーターを目指すなら最低限知っておきたい知識【その1】 イラスト用アプリケーションのペイント系とドロー系の違いについて」で解説した通りです。

 (3)はある程度ならペイント系ソフトでも可能ですが、手や足の位置を大胆に変更したり、頭と体のバランスを変更したりと自由自在です。ペイント系だと主線をトレースした段階から大きな変更は難しくなりますが、イラレはどの段階でもOK。これは大きなメリットです。

 (4)も(3)と同じく直接ピクセルデータに干渉するペイント系に比べて、数値化されたベクターデータがピクセルを描画するイラレの良い部分です。数値を変えれば自動的にそれがピクセルに反映されるのですから、塗り残しや修正が汚く見えてしまう、という心配もありません。

 (5)はイラレ最大のメリットです。自作のパーツはもちろん、著作権フリーや版権フリー(二次使用や改変が認められているもののみ)のパーツも流用できるので、作業効率アップや画のクオリティアップにつながります。パーツの流用はペイント系でもできますが、改変のためのパーツの分解ができない、加工するたびに画像が荒れる、などの問題があります。もちろんイラレはその心配がありません。

 (6)は使い慣れたマウスが使える、余計な周辺機器が要らず、機器の操作を覚える必要もなければお金もかからない、というメリットですが、イラレ自体は高価なソフトなので、そこは初心者には厳しいかもしれません。

 以上が『私がイラレで萌え絵を描く理由〜メリット編』ですが、もしあなたが萌え絵・デジ絵の初心者なら、迷わずペイント系ソフトで画を描き始めてください。そちらの方がイラレで描くメリットをはるかに凌駕していますし、ノウハウもネット上にいくらでも転がっています。デジ絵初心者がわざわざ高価で扱いが難しいイラレを選ぶ理由はありません。

 イラレはその名の通りイラストを描くソフトです(デザイン・DTPソフトとして使われている方が圧倒的に多いですが)。実際に世の中に溢れる数多くのイラストがイラレで描かれています。でもイラストの中でもちょっと特殊(特異)なジャンルである萌え絵では、イラレはほとんど使われていません。しかし「イラレで萌え絵を描くことができるか否か?」と問われたなら「それは可能である」と私なら答えます。私自身は「これは萌え絵である」と思っています。そして「もっと萌え絵にできる」とさえ思っています。たった9作品目でここまでたどり着いたのですから、それは自信を持って断言したいと思います。