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いがらしゆみこ関連の画像は掲載不可なので、その時に撮った倉敷の写真でも。この日は曇っていて寒かった。




 今年1月、広島に遊びに行ったついでに倉敷に立ち寄り、倉敷の美観地区にある「いがらしゆみこ美術館」に行ってきました。目的は妻が『キャンディ・キャンディ』の大ファンと知っていたので(例の問題で展示はないと知っていましたが)連れて行きたかったのです。館内に入るなり、そこここに溢れるいがらしゆみこの絵に妻は「かわいい・・・」としか言わなくなり、デジカメで写真を撮りまくっていました(撮影はマナーを守りましょう)。

 そんな妻を尻目に私はいがらしゆみこの原画を探して館内をキョロキョロ。やっと2階の奥に展示してあるのを見つけ、しげしげと氏の丁寧な仕事ぶりをつぶさに観察してきました(もちろん手描きのアナログ原画です)。その時思ったのは『キャンディ・キャンディ』は1970年代少女漫画絵を1980年代少女漫画絵へと流れを変えた一大エポックな漫画だったという事実です。

 1970年代漫画といえば、『ベルサイユのばら』や『エースをねらえ!』のように、主人公は男性に負けないくらい力強く、雄々しい女性像で、気高く花を背負い、凜とした出で立ちで人気を集めていました。そこに『キャンディ・キャンディ』が登場します。『キャンディ…』は女児向け少女漫画としてはその壮大なストーリーとシビアな展開で、当時の中高生や男性にも人気のあった漫画です。そこにはウーマン・リブの時代を象徴する男女の「性差」の問題は一切なく、コンプレックスに負けずに女の子として、女性としての幸せを求めて突き進む(でも諦める時は潔く諦める)キャンディの姿がありました。それは絵柄にも反映され、すらっとした面長で輪郭が鋭い中性的なキャラクターから、丸っこくて優しい、おでこが広く女の子っぽい絵柄へと変化。そんな「大きな女児」のようなキャンディが大人顔負けにアメリカやイギリスを駆け巡るストーリーに読者は心を奪わたのです。

 それは同世代やそれ以降の少女漫画家たちに大きな影響を与えたであろう事は相像に難くありません。1970年代のゴージャスで仰々しい絵柄は過去のものとなり、1980年代はより愛らしく可愛らしい女性らしい絵柄へと変化していきました。ちょうどその頃のギャグマンガの流行の影響も見逃せません。女児顔をさらに単純化・記号化した「ギャグ顔」は萌え絵の原点のひとつとも言えるでしょう。1970〜1980年代に起こった少女マンガのジャンル・バリエーションの爆発的拡大は、現在ある少女マンガのジャンルをほぼ全て網羅しています。

 こうして振り返ってみると『キャンディ・キャンディ』の登場とその大ヒットが後世に与えた影響(萌え絵も含む)は大きいと言えます。「見た目は女児でも中身は大人」(某探偵漫画のパクリ)なキャンディが「見た目は女児でも設定は大人」という現在の萌え絵の原点のひとつである、と言えるのではないでしょうか。

 尚、この「いがらしゆみこ美術館」、非常にわかりづらい場所にあるのでよく地図を確認してから訪問することをお勧めいたします(私は30分ほど迷いました)。ローカルな美術館らしく展示は寂しいですが、コスプレスペースが確保されているので、そちらを楽しみたい方には楽しめるでしょう。グッズはこういった版権ものにしてはかなり格安なので良心的です。萌え絵に興味のある方や、萌え絵師も機会があれば行ってみてはいかがでしょうか。


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