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こういう「平面美人画パターン敷き」イラストを描きたい人には参考になる本書だが、この手のイラストは出尽くしている感があります。




 この本には以下15名のイラストレーターの制作ノウハウが紹介されています。

Chapter 01:蛯原あきら
ブラシとレイヤー効果で表現する水彩風デジタルイラスト

Chapter 02:久保田ミホ
シンプルな配色とモチーフで魅せるマークのようなイラスト

Chapter 03:emico
バリの雰囲気を感じさせる神秘的なイラスト表現

Chapter 04:CNO
同系の色調で魅せるレトロポップな世界観

Chapter 05:Benicco
白を生かした繊細なベジェで魅せるモダン&スタイリッシュなガールズイラスト

Chapter 06:チバサトコ
ブラシで華やかに彩られたスイートな世界観のイラスト

Chapter 07:mamico
雲模様パターンと水彩ブラシを使ってつくる幻想的なアナログ表現

Chapter 08;宮川雄一
アクリルガッシュで描く、遊び心を加えて魅せる和服の女性画

Chapter 09;sioux
水彩とアクリルガッシュで描く、透明感のあるガールズイラスト

Chapter 10:だるま商店
艶ある色彩とグラデーションで表現する空気感のある春爛漫の浮世絵風和風空間

Chapter 11:ミヤモトヨシコ
手描きとデジタルの融合で表現する水彩調イラスト

Chapter 12:タニグチカズコ
レイヤー効果とブラシツールで魅せるアナログ質感のイラスト

Chapter 13:タカハシヒロユキ
カラフルでリズミカルな新感覚コミック風表現

Chapter 14:彩
Photoshopで仕上げる紙の質感を生かした水彩調イラスト

Chapter 15:オオタニヨシミ
線と塗り、黒の階調を生かすゴシック調のイラスト


 この中で、イラレでイラストを描いているイラストレーターはChapter02、03、04、05、06。10、13、15の各氏。サイバーチックなマンガテイストの13を除けばここでご紹介した「平面美人画パターン敷き」系のイラストで、だいたい同じような手法で描かれています。

 実はこの「平面美人画パターン敷き」系のイラストを描くイラストレーターは非常に多く、私も何度も発注(別のイラストレーターです)したこともありますし、ポスターや雑誌・書籍などでもよく見かけます。手法はほぼ同じなのであとは個性とセンスで勝負するしかないのですが、イラレの機能に頼っている部分が多く、知らない人が見ると違うイラストなのに同じ作者に思われてしまう可能性もあります。それだけ世間になじんでいるとも言えるので、冒険したくないクライアントはこのテイストを好む傾向にあるのですが、それが同じようなイラストの氾濫を助長している面があるのではないでしょうか。

 私はこの「平面美人画パターン敷き」系イラストを描きたいわけではないので、特に参考にはならなかったのですが、ひとつ重要な点に気づきました。それは「イラレ臭さを消すためにはパターンを使わない」ということです。つい服や背景に使ってしまいがちなイラレのパターン(パターンスウォッチやパターンブラシ、散布ブラシなど)は「同じものがいっぱい」(某有名アニメのヒロイン曰く)でデジタル臭くなってしまうからです。

 まあぶっちゃけ「手描きに勝るものはなし」なのですが、考え方として「手描きを具体化するためにイラレの機能を利用する」という「手描きありき」の発想が必要です。「イラレの機能ありき」で発想すると「結局はイラレ画でしょ?」という範疇からは抜け出せない、ということです。


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