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私が今まで描いた萌え絵の中で一番「マンガ絵」「アニメ絵」寄りなのがこの『走ろっ!』。これを「萌え絵」と呼ぶにはちょっと抵抗がある。




 現在では世間一般に広く浸透したと言える「萌え絵」というカテゴリーですが、当ブログでは「その画を見た当人が萌えられれば、それは萌え絵である」という結論に達しています。しかしそれだけでは主観に頼るのみの抽象論に終始してしまうので、以下のような最低限排除すべき客観的な定義と、それを表す萌え絵とは別の言葉を当てはめて、「萌え絵」と「それ以外」を明確に区別することにしています。


「萌え絵」とは・・・

(1)画のキャラクターに背景情報が存在しない。

(2)画のキャラクターに「強さ」を感じない。

(3)直接的な性器や性行為の描写を伴わない。



 (1)は原作となるアニメやマンガ、ゲームなどが存在しないという意味です。つまり「版権もの」ではないということです。版権ものには背景情報として、そのキャラクターの性格や仕草、ストーリーやそのキャラの立ち位置、声優の声などが存在します。それらも萌え要素になってしまうため、純粋に画だけに萌えているとは言えなくなってしまうからです。そういった画を当ブログでは単純に「版権絵」「版権キャラ」「萌え(要素の強い)キャラ」等とカテゴリーし、背景情報のない画だけで萌える、いわゆる「萌え絵」とは区別しています。

 (2)はオリジナルキャラでも絵柄が強いのものは萌え絵ではない、という意味です。「絵柄が強い」とは具体的には太い主線や、コントラストの強い色彩、筋肉的、肉感的な体のライン等です。萌え絵には抱きしめたら崩れてしまいそうな儚さや弱さ、繊細さ、透明感が求められます。そうでないとその画を見た人に「キュン死に〜」とか「見た瞬間ドキっとした!」といった感情を与えられません。そんな感情を呼び起こさない強い絵柄の画を当ブログでは「マンガ絵(画)」「アニメ絵(画)」「キャラ絵(画)」と称しています。ただし、世間一般ではこれらマンガ絵、アニメ絵も萌え絵として認知されています。つまり「アニメっぽい画なら全て萌え絵」というよくある十把一絡げです。しかし私は明確に「別物」として扱っていますし、それは違うと思っています。

 (3)はいくら萌え要素があったとしてもエロ絵、エロマンガ、18禁としか言えないでしょう。「性的興奮」と「萌え」はまた違う感情、精神状態で、これらは「萌え絵」とは異なるものです。ただ「チラリズム」は萌えに大きく寄与します。簡単に言えば「見てはいけないものが見えそう(見えてしまう)」のは「萌え絵」で、「見てはいけないものを大胆に見せつける」のは「エロ絵」ということです。

 以上の定義を踏まえた上で、「萌え絵を描くために最も必要な能力とは何か?」という問いに答えたいと思います。それは

「キャラクターデザイン能力」

です。なぜなら、背景情報の全くないオリジナルキャラクターで萌えさせるには、キャラクターデザインに頼るしかないからです。ちょっと考えてみてください。「あなたが萌える絵=画力が高い絵」でしょうか? たぶんほとんどの人が「私が萌える絵=私好みのキャラデザインの絵」だと思います。

 もちろん画力やデッサン力、塗りのテクニック、描写力も大切な要素です。しかし、それらは後でも身につけることができます。しかしこの「キャラクターデザイン能力」は画を描き始めた早い時期に、オリジナルキャラを創造することによってしか身につけることができません。早ければ小学生、遅くても高校生の頃にはオリジナルキャラを描き始めるべきです。

 現在、誰が描いても同じようないわゆる「ハンコ絵」が世間に溢れています。それは萌え絵を描くための使用ソフトが限られていて、なおかつ画一的なノウハウがネット上に氾濫しているせいもあります。しかし、それ以上に「誰もキャラクターデザイン能力の重要性を声を大にして言わない」という問題があります。確かにハンコ絵のノウハウを真似れば、それなりに「上手な画」が「早く」描けるようになります。ですが若い頃にそればかりに終始してしまうと、自分の個性をもっとも画に反映しやすい10代から20代前半の大切な時期を「ハンコ絵師」として過ごしてしまい、いざ後になってキャクターデザイン能力を磨こうと思っても、どうしてもその「ハンコ絵」が足を引っ張ってしまう、という状況に陥りかねません。高い画力があっても、これでは宝の持ち腐れです。

 「萌え絵」とは突き詰めれば「オリキャラ萌え」と言い換えることができるでしょう。だからこそ特定の絵師に大勢のファンが付くのです。そのファンたちは、その絵師が描くキャラクターデザインに萌えているのです。画力の高低はさほど大きな問題になりません。

 ここまで書けばあとはどうすればいいか結論は明らかです。ある程度萌え絵を描かける画力がついたなら、世間に大量に溢れる萌え絵からあえて目をそらし、一目見て「あっ、○○さんだ!」とわかる個性ある萌えキャラを創り出しましょう。模写もトレースもノウハウの一切も捨てて、自分が最高に萌えられる、自分だけのオリジナル萌えキャラをデザインしながら、キャラクターデザイン能力を身につけましょう。そしてそれを人生のなるべく早い時期に始めましょう。

※ご注意:ここでの「萌え絵」「版権絵」「キャラ絵」「エロ絵」という定義は、あくまで定義の話であって優劣の話ではありません。版権絵やキャラ絵でも可愛い画や素敵な画は数多くありますし、エロ絵でも萌えとエロを同時に感じるものが多数あります。ただそれら全てを「萌え絵」と称してしまうと私が志向する「萌え絵」との齟齬が生じ、話が見えにくくなってしまうのでカテゴライズして整理した、とご解釈ください。