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窪之内英策さんの絵に触発されて、コピックでこんな感じのイラストを描きたいと思っていたのですが、なぜかイラレで萌え絵を描く展開に・・・(笑)。これはTayasui Sketchesで描きました。




 コピックというマーカーをご存知でしょうか? 多分イラストを描く人なら名前くらい聞いたことがある人が多いのではないかと思います。私のような古い時代のデザイナーなら、販売している会社を「.Too」とは呼ばず「いづみや」と呼んでいたことがある方なら、一度は使ったことがあるのではないでしょうか。私にとってコピックとは、「カンプやラフに色付けする画材のひとつ」でした。そもそも商品名の「コピック」とは、「コピートナーが溶けない画期的なマーカー」という意味で付けられた名称です。

 まだデザイン現場にPCがなかった1990年代半ば以前、作業の中心はコピー機で行っていました。写真や文字などのデザイン要素をコピー機で拡大・縮小コピー、コピーの裏面にスプレー糊をふりかけて必要な部分をカッターで切り抜き台紙に貼り付け、切り貼りでデザインを完成させます。それをコピー機でまるっとコピーすると糊で貼った部分の段差が消え、まるでひとつの印刷物のようになって出力されます。しかしコピー機はモノクロ(かなり後になってカラーコピー機が普及した)なので、出力されたコピーも当然モノクロ。ですのでそのコピー出力に色をつけるのですが、従来のマーカーだとコピートナー(黒い粉状のもの)が溶けて塗りが汚くなってしまっていたのです。そこに登場したのがこのコピック。コピートナーが溶けない、発色がきれい、ベタ(同色の広い面積部分)が塗りやすいなどの特徴から瞬く間にデザイン業界に普及しました。

 また、撮影カンプでもよく使用されていました。写真撮影の仕上がりを想定したカンプ(アニメの絵コンテのようなものだと理解してください)にアバウトに色付けするのにも適していたからです。こういった用途からコピックはもっぱら「制作物の制作中、仕上がりイメージをクライアントや制作スタッフで共有するためのラフやカンプの色付けに特化したマーカー」として用いられ、「イラストレーターがイラストの彩色に使うマーカー」としては使われていませんでした(イラストレーターは発色の良さからカラーインクを使用していました)。しかし1990年代半ば、ひとつのPCがそれまでのデザイン作業を根本から変えてしまいました。そう、Macintoshの登場です。我々デザイナーはそれまでのアナログ制作の煩わしさから解放され、コピックの存在をすっかり忘れてしまいました。

 ところがひょんなことからコピックを再び目にすることになりました。それがこの動画です。お絵かき大好きアイドルとして名を馳せていた「しょこたん」こと中川翔子さんが、イラストの制作で彩色に使っていたのがコピックだったのです。どうやら私の知らない間にイラスト描きの間で彩色ツールとしての地位を確立していたようです。

 そして現在、漫画家の窪之内英策さんもメインの彩色画材としてコピックを使用しているようです。実は私、イラレで萌え絵を描こうと思う以前、窪之内さんの絵に触発されて「スケッチブック+鉛筆+コピック」でイラストを描こうとしていました。コピックなら使ったことがありましたし、その特性もよく理解していたからです。しかしセットで購入するとかなりの高額。それに修正のできない一発塗りの技術は今の私にはない、と判断し、デジタルに目を向けて現在に至っております。

 アナログであろうと、デジタルであろうと、「塗り」という作業にはデッサン力が必要になります。ものの形を正確に把握し、どこにどういったシャドウやハイライトが落ちるのかを理解するには空間認識能力とデッサン力が必ず必要になります。デジタルはトライ&エラーがしやすい分、そのトレーニングにはもってこいです。ですので、デジタルで彩色の自信がついたら最終的にはアナログ回帰というのも悪くないな、と今でも思っています。


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