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幾度も訪問する機会がありながら、今回やっと訪問いたしました。主催社のサイトには今後、出展者のレポート記事が載るそうなので、参考にしたいと思います。




 ここで『デザインフェスタ vol.44』の訪問記事を書きましたが、他のブロガーの方の訪問記事や出展記事をいくつか読んで、自分なりに感じたことをまとめてみます。ただし、私は「駆け出しのアマチュアイラスト描き&プロのデザイナー」なので、その視点での論評になります。また、論評対象はイラスト・絵画出展者のみです。アクセサリー・グッズ・ファッション系は門外漢なので論評しません。あらかじめご承知おきください。

 やはり、一番に感じたことはイラスト・絵画系の出展が意外に少なかったな、ということです。版権ものの萌え絵全盛の昨今、オリジナルのみという縛りはかなり影響が大きいようで、いわゆる「絵師」と呼ばれる方々の出展はほとんど見かけませんでした。どちらかというとキュートで可愛らしい少女マンガ系か、ゆるキャラ的な絵柄が多く、明らかに女性に受けることを目的としたイラストが多かったように思います。その点萌え絵のターゲットは男性ですので、アキバ系萌え絵は女性に嫌悪感を与えるどころか『デザフェス』の雰囲気にそぐわない気がします。萌え絵的美少女絵もいくつか出展されていましたが、それらはイラストレーション寄りの萌え絵でした。

 それに後で調べて知ったのですが、出展料が12,600円からと高いですね。しかも備品は有料レンタル。印刷などの原価を考えると明らかに赤字です。ペイできている出展者はほんの一握りだと思います。『デザフェス』は無審査で出展できますが、主催者はこの出展料の高さである程度ふるいにかけているんでしょう。生半可な気持ちでは出展はできない金額ですので。

 トントンでさえ無理なら、出展する以上は儲け以外の何かメリットが必要になります。多くの方がおっしゃっていたのは「リアルでの反応が知りたい」「なるべく多くの人に周知をしたい」「ネット(ショップ)へのアクセスにつなげたい」「他の作家さんと交流したい」「自分が楽しみたい」でした。まあ、そう割り切るしかないでしょうね。というのも、ほとんどのお客さんは文化祭のような雰囲気を楽しむだけ楽しんだあと食事などにお金を使うか、買ったとしてもトータルで1000円も使っていないのではないでしょうか。特定のアクセサリー・小物系の作家さんの作品を買い求める人もいるようですが、それは少数派ですね。

 プロのデザイナーの立場から見ると、ここで繰り広げられている輪と、広告・デザイン・出版の仕事関係で回っている輪とはほとんど重なっていない気がします。この『デザフェス』の輪でいくらメジャーになっても、プロになれるかというとほとんどその可能性はないでしょう。10年、20年とイラストレーターで食べていくためには広告業界でそれなりの地位と知名度が必要になります。文化祭レベルの『デザフェス』にかまけてるヒマがあるなら、コンペに出品して賞を獲るのに作品制作に必死になるでしょうね。個展を開けるレベルの作家イラストレーターでないとメジャーな仕事は来ませんし、それ以外の多くの職業イラストレーターは、日々の仕事に忙殺されて『デザフェス』に出展する余裕などないでしょう(知り合いのプロのイラストレーターで出展した人もいますが、結局数回で辞めてしまっているようです)。素人相手の『デザフェス』で認知度アップを頑張るくらいなら、業界内で営業を頑張った方がよっぽど効率的です。

 ステーショナリーなどのグッズ系イラストレーターの方の出展もありましたが、現在はありとあらゆるグッズが小ロットで安価に印刷できてしまうので、アマチュアといえどもいくらでもグッズの制作と販売ができてしまいます。『デザフェス』の輪の中で有名になればある程度の販売は見込めるでしょうし、利益が出てそれで食べて行っている方も中にはいるかも知れませんが、だからといってそういった方々を「プロ」とは呼びません。「自主制作作家」と呼ぶべきでしょう。プロとはメジャーな流通に乗っている商品に携わっている人たちのことです。商品の企画からデザイン・制作・販売まで、関係各企業や大勢のスタッフ、巨額の予算を動かし、一貫した業務の「流れ」の中にいる人たちのことです。ちなみに現実としてサンリオを始めとする各グッズ制作・販売会社はイラストやデザインのほとんどを自社で賄っています。というのも著作権を一括して会社で管理しなければならないからです。名前が表にでるわけではありませんのであまり知られていませんが、そういう「社内イラストレーター」も世の中には数多くいらっしゃいます。しかしそういった方々はこの『デザフェス』には無縁(出展者として)でしょうね。

 「大人の文化祭」「学祭以上、個展未満」という評もよく見かけましたが、まさにそんな感じです。私がそれに付け加えるとするならば、「作品を発表したいアマチュアと、プロを夢見るアマチュアと、自主制作作家の集まり」となるでしょう。

 まあ、楽しいイベントであることは間違いないです。出展者として参加すればさらに楽しいでしょう。私も参加を検討したいと思いますが、それはプロのデザイナーとしての立場を完全に切り離し、利益度外視のアマチュアとして、ということになります。もちろん出展名はペンネームの「岩沙 弐拾郎」です。業務で使用している屋号と本名は非公開とし、プロの人脈の一切には内緒で出展します。目標は1年後の『2017年秋のデザインフェスタ』にしましょう(・・・あっ、書いちゃった。笑)。それまでにポストカードくらいはなんとか買っていただける画力を身に付けたいですね。