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萌え広告だらけの現在の秋葉原の街。自分も萌え絵を描いてるくせに、なんとなく落ち着かない。(写真提供:FreeBackPhoto




 つい最近、所用があったので5〜6年ぶりにゆっくりと秋葉原の街を歩いてみました。秋葉原といえば私にとっては「家電の街」であり「Mac(PC)の街」だったのですが、今や完全に「ヲタクの街」と化し、萌え絵を描いている私でさえアウェー感を感じるほどに凄まじい変貌と発展ぶりをヒシヒシと痛感しました。

 私が初めてPC(Mac)を購入したのは秋葉原のツクモ(現在のツクモ DOS/Vパソコン館)です。時は1994年。印刷・デザイン業界はこの年を境に一気にデジタル化へと突き進み、それに対応するための購入です。そして1996年ごろにインターネットの普及が始まり、家電の街だった秋葉原がPCの街(当時は「電脳街」と呼ばれていた)へと拡大を始めます。当時からアニメ・ゲーム系のヲタク向けショップはありましたが、裏通りにひっそりと店を構える程度で、目立った存在ではありませんでした。

 2000年代に入るとPCはますます存在感を増しMac専門店も林立、多分この頃が一番あしげくアキバに通っていた時期だと思います。当時Mac(Apple)はメジャーな存在ではなく、Mac対応の製品やパーツはアキバでなければ手に入らなかったからです。同時にアキバの家電専門店に元気がなくなってくるのもこの頃です。カメラ専門店だったヨドバシカメラやビックカメラが家電店として都心部に次々に店舗を展開。わざわざアキバに出向かなくても、新宿や池袋、渋谷などで十分間に合うようになったのが大きかったと思います。

 2000年代後半になると石丸電気やサトー無線といったアキバを代表する家電専門店が次々と消滅、隆盛を誇ったPC専門店も縮小の一途をたどるようになりました。代わりに拡大を始めたのがアニメやマンガ、ゲーム、フィギィア、アイドルなどのヲタク専門店です。私はこの頃からアキバへ出向くことはほとんどなくなってしまいました。当時ヲタク文化は現在ほど評価されていませんでしたし、「しょせんキモいマニア向け」というレッテルは依然強固なものだったからです。おそらく、この頃のアキバが一番停滞していたのではないかと思います。秋葉原通り魔事件や駅本体やその周辺の大規模再開発の影響もあったかも知れません。

 それが2010年代に入ると一変、ヲタク文化が世間的に評価されるようになり、表通りをヲタク専門店が席巻、AKB48もこの頃やっとメジャーになりました。また、ヲタク文化に影響された世界中のヲタクたちやサブカル好きが大挙としてアキバを訪問、「ヲタクの聖地」として観光名所の地位を確立しました。現在のアキバは日本人のヲタク、外国人のヲタクや観光客だらけです。

 一時期停滞したアキバを知っているものからすれば、現在の隆盛はそれがどのジャンルであれ、とても頼もしく感じます。それに、あそこまであからさまに萌えが街を席巻している様を見ると「面白いからもっとやれ」などと無責任なことを思ってしまいます。いっそのことディズニーランドのように一大萌えアミューズメントパーク化し、萌えサブカル以外の一切の要素を排除してもいいんじゃないかとさえ思ってしまいました。アプラス秋葉原で行われていた非萌え系イベントの客の入りの少なさは、この街がもはや後戻りできないまでに「萌え化」している証左だと思います。

 そういえば2台目のMacを買ったのもアキバでSTEP(ステップ)という店でした。あと、Macユーザーにはおなじみだった「黄色いビル」こと秋葉館は規模を縮小して裏側に引っ越したみたいですね。中央通り沿いにソフマップのMac専門店がかろうじて営業中でしたが、消滅は時間の問題でしょう。Mac(Apple)はジョブズが復帰して以降、ブランドイメージの向上に努めてアキバ臭を抹殺してしまいました(笑)。ですのでソフマップも中途半端なことはしないで、ビックカメラグループのアイドル・萌え専門部隊として特化し、その道を突き進むべきだと思います。(逆にビックカメラは萌え色を排除してほしい。特に店舗の萌えキャラ化は微妙すぎる)

 モノ消費は限界にきていると言われますが、ニッチなジャンルはまだまだ盛況です。それに「カルチャー」はコト消費でもあります。その両方を「萌え文化」として取り込める秋葉原は大いなる可能性を秘めていると思います。今後の発展に期待したいですね。