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版元の秀和システムは技術系出版社ですが、いかにもそれらしい実直な印象ですね。




 私の場合、長い間グラフィックデザインやDTP用途でイラレ(Adobe Illustrator)を使用してきたので、意外とイラスト制作に使うイラレの機能を知らない、という事実があります。その解消のために今まで様々な関連書籍やハウツー本を読んできたのですが、最近、それら書籍は大きく分けると二つのパターンに分類できることに気がつきました。それは、

(1)イラレの機能紹介をするため、その機能を用いた作例イラストを掲載している本

(2)作例イラストを制作するために、イラレのどの機能をどう使うかを解説した本


です。

 一見同じようなことを言っているように見えますが、実はかなり「身のなり方」は違います。イラレでイラストを描く際、機能を知っているのも重要ですが、もっと重要なのはその機能を自分のイラストにいかに上手く取り込むか、ということです。これには機能を知っていることプラス、その機能を使ったことによって得られる「効果(メリット・デメリットも含む)」をちゃんと把握していなければなりません。であれば、その解説は(2)の方が適しているのですが、(2)がメインの本は実はさほど多くないのです(この件に関しては、一通りイラレイラスト本を網羅しきった時点で、まとめの記事を書きたいと思います)。

 さて、この『Illustratorではじめてのイラスト[第2版]』ですが、これはまぎれもなく(1)の本です。そして表紙には

ステップ1:操作イメージを掴む
ステップ2:説明通りに操作する
ステップ3:練習を通して学習成果をチェック

と書かれていますが、実際はほとんどのページを「ステップ1」に費やしています。これだけでこの本がどういう本か、理解していただけるかと思いますが、要するに完全に初心者向けと言っていいでしょう。しかし、非常にわかりやすく整理され、説明されていますし、余計な演出もなく、シンプルに(辞典的に)CCまでのほぼ全ての機能を説明・解説されているので、初心者がまずはじめに買う本としてはオススメできるのではないかと思います。「見ていて楽しいとか、画がかわいいとか、そんなのはどうでもいいから手っ取り早くイラレの機能を知りたい」という方にはとても向いている本だと言えるでしょう。


Illustratorではじめてのイラスト[第2版]