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「萌え文化」はある程度一般にも浸透しましたが、それは今現在がMAXだと思います。一般レベルでは収縮してゆき、結局は以前のように「一部のマニアのための特別な文化」に落ち着くのではないでしょうか。「萌え絵師たちの活躍の場は今後さらに広がっていく」というのは幻想だと私は思います。(写真提供:FreeBackPhoto




 私は日常的に印刷会社やweb業者への入稿業務を行っています。その経験から「プロのイラストレーターを目指すなら最低限知っておかなかればならない知識」をコラムでご紹介したいと思います。今回はその28回目「「プロのイラストレーターになりたいのですが・・・」と相談する前に知っておくべきこと」です。

 プロのイラストレーターと名乗るのなら、私は最低でも以下の条件を満たしているべきだと考えています。というのも、そうでないと「(満足できるイラストが仕上がってくるかどうか)怖くて仕事を振れない」からです。おそらくどの広告代理店のディレクターやデザイナーや営業さん、出版社の編集者やライターさんに聞いてもほぼ答えは同じだと思います。

(1)同世代の年収と同等か、それ以上をイラスト制作のみで稼いでいる(社員・フリーランス問わず)

(2)その状態を少なくても5年以上は維持している


そして、たとえ今現在はこの条件を満たしていても、もっと厳しい現実が待ち構えているという事実が存在しています。それは

(3)年金支給年齢(現在は65歳)まで(1)(2)の状態を維持する

ということです。

 現在、ネット上には「プロのイラストレーターを目指しています」と宣言している絵師さんを数多くみかけます。目標を持って努力することは大切なので、それはそれで否定しませんが、上記の現実を理解した上で言っているのかは、甚だ疑問です。特に(3)は重要です。というのも、私が知っている私の上の世代や同世代のイラストレーターは、(3)に到達できずに「ほとんど全員」がイラストレーターを辞めてしまっているからです(アナログ→デジタルに対応できなかった人も多数)。はっきり言いますと、「専業」イラストレーターで(3)まで到達するのは「一般人に名前と作品を知られている超有名イラストレーターでも困難」だと思います。20歳からプロになったとしても年金支給年齢の65歳までの「45年間」です。つまり「プロのイラストレーターとして生きていく」=「45年間もの間、イラストレーターとして食べていく」という意味だ、と理解しなければならないからです。

 しかし、現実にはそんなことはほぼ不可能です。ちょっと考えてみてください。超ベテランと言われるイラストレーターで、「専業」の人は一体何人いるのでしょう? おそらくほとんどのイラストレーターは以下の職業と「兼業」していると思います。

・漫画家
・アニメーター
・ゲームデザイナー
・キャラクターデザイナー
・グラフィックデザイナー
・WEBデザイナー
・CGデザイナー
・ディレクター
・演出家、監督
・アーティスト作家(画家)
・作家(文筆系)
・エッセイスト
・俳優
・タレント
・社長など経営者
・客員教授、専門学校講師、スクール講師
・主婦

つまり、「長い人生の一時期は専業イラストレーターとして活躍できたとしても、やがては兼業にならざるを得ない」のです(漫画家など、初めから兼業の人はやはりその点強いですね)。イラストレーターは人気商売なので、絵柄に飽きられたら棄てられる運命にあります。個性が強く一目でその人の作品とわかる作家イラストレーターほど、その傾向が強いです。広告業界(おそらく他の業界でも)のイラストレーターに対する本音は、「そのイラストレーターを使うのは、その絵柄が現在のトレンドであるからであって、流行が終われば棄てるだけ。新しい才能は次々に湧いて来ているので供給には事欠かない」です。まるでお笑い芸人を使い捨てるTV業界のようですが、それと同じと考えていただいて(もっと酷いかも)構いません。と、なるとイラストレーターを続けるには「他の職業と兼業できるまた別の才能と、業界を生き抜くしたたかさ」を持ち合わせていなければなりません。でなければ家業継ぐか、家業がなければ「40歳からコンビニでバイト」するしかなくなります。どちらにしても、もう「プロのイラストレーター」ではないですね。

 この国には職業選択の自由がありますので、第三者がとやかくいう問題ではないかもしれません。ただ、ネット上にあるpixivなどのイラスト関連のサイトで、こういった現実を発信しているサイトはほぼ皆無です(アマチュアの夢を壊さないためにわざと情報を抑制しているのでしょう)。現在のアマチュアは非常にレベルが高く、プロを凌駕するイラストを描くアマチュアも少なくありません。しかし、そのことが「自分の好きな画を好きなように描く(アマチュア)」と「他人が望む画を他人の望むレベルで描く(プロ)」との区別をできにくくし、自分の実力の過大評価と現実認識の欠如につながっているのだと思います。それは路頭に迷う「地獄の一丁目一番地」です。一刻も早く「目を覚まし」て、冷静に自分の実力と、今ここにある現実を認識した上で、プロを目指すか否かを判断してください。

 ちなみに、人気萌え絵イラストレーターのK・Mさんは、最近タレント的な活動もされているようです。色々批判もされているようですが、私は彼の気持ちは痛いほど理解できます。つまり「今(売れっ子の萌え絵師)はいいけど、この状態を一生は続けられない」と気づいているからこその「副業探し」ですね。タレント業の成否はわかりませんが、名前は売れているので専門学校の講師ぐらいにはなれるではないでしょうか。


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