c2a67ed6
使い方次第ではトレースの省力化に役立ちそうですね。使用アプリはAdobe Illustrator CS6 for Macです。




 通常、イラレの画像トレースは「面」でトレースされます。つまり、下絵がいくら「線」で描かれていてもその「線」の白と黒の境界を感知して、線なのにぐるっとパスで囲った「面」としてトレースしてしまうのです。もちろん下絵の精度が高ければそれで問題ありませんが、「線」を「線」としてトレースできれば、線幅ツールや線プロファイル、ブラシなど様々なイラレの線ツールが使用できるようになります。しかも線ですので、面よりも編集や修正が格段にしやすくなります。しかしそれをするにはマウスでチマチマと手でトレースするしかありませんでした。ところが、それをオートトレースする方法があったので、それをご紹介いたします。

(1)まず、下絵の準備しますが、線の強弱やタッチなどはイラレ上でどうにでもできますので、なるべく均一な線で描かれた画の方が結果は良いようです。それをイラレにコピペ(埋め込み)します。

4be6f5b3


(2)下絵画像を白矢印で選択し、コントロールバーの「画像トレース」の右の三角をプルダウンさせて「ラインアート」を選びます。すると自動的に線画が線に変換されます。結果が気に入らなければ「画像トレース」ウィンドウを呼び出し、最適なトレース結果を求めて微調整します。

24c74606


(3)トレース結果に満足したら「拡張」を選んでパス編集可能状態にします。ここからはどうにでも加工できますが、今回は水彩画風に仕上げますので線にラフな鉛筆線を割り当てて、手描き感を演出します。

ef1a2b11


(4)線画部分は上から乗算で乗せるので、下に新規で色塗り用のレイヤーを作り、色を塗っていきます。水彩画風ブラシは書籍『Illustration of Illustrator Illustratorだけで描くスーパーアートワークス 』に付属していたCD-ROMにあるデータを使用しました。

c2a67ed6


(5)アウトライン表示にするとこうなります。「線」は「線」で描かれたイラレのベクターデータです。

7925e125



 いかがでしょうか。今回はオートトレースの精度を見せるため、トレースの結果はデフォルトをそのまま使用し、一切の修正を加えませんでしたが、トレースの精度はそれなりなので、結局手でトレースしたほうが良い場合も多々あるかと思います。しかし、この方法を知っておけば、おおまかなトレースはラインアート機能を使い、後にそのパスを修正するといった作業の省力化に役立つ可能性があります。また、髪の毛や顔のパーツなど、あらかじめトレース用の下絵をレイヤーで描き分けていると、後の微調整や修正が楽になります。図面や地図のトレース、写真加工など、イラスト以外でもいろいろ使えるシーンはありそうです。参考にしてみてください。