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「モノ消費」から「コト消費」へ。その「コト消費」を作り出せるコンテンツの重要性は今後ますます高まっていくでしょう。そのコンテンツを作れる「コンテンツメーカー(クリエイター)」には有意義なイベントでることには間違いないですね。




 さて、その『クリエイターEXPO』ですが、来場してみて感じたのは、「人気のあるブースとそうでないブースの差」です。この差はどこからくるのかと観察してみたのですが、結局のところ「コンテンツメーカーには人が集まるが、クリエイティブワーカーには人は集まらない」ということに気がつきました。以前書いた『「クリエイターEXPO」の無料入場券をゲットした件』の記事で指摘した通り、この『クリエイターEXPO』とは『コンテンツ東京 』の名の通り、まさに「新規コンテンツお披露目商談会の中のいちイベントである」ということです。

 ここでいう「コンテンツメーカー」とは、自身でコンテンツを創作・発信しているクリエイターのことです。他者互換の効かない個性がある、独自技術や技能を持っている、高い専門性を有している、全く新しい表現方法を確立している、名前で人を呼べる有名作家などもこれに含まれます。対する「クリエイティブワーカー」とは、通常の商用イラストやカットイラスト、広告デザイン(私はここに属します)、コピーライティングなどのクリエイティブ業務を請け負っているクリエイターのことです。この両者は同じく「クリエイター」と呼ばれますが、実態は全く異なります。「コンテンツメーカー」を探したい来場者が「クリエイティブワーカー」に興味を示すはずがなく、それがこの「ブースの人気の差」につながっているのではないか、と感じました。

 この商談会にクリエイティブワークのニーズが全くないわけではないにしても、クリエイティブワーカーにしてみれば競合も多く、価格競争にも陥りがち(足元を見られる)なので、業種によっては非常に厳しい対応を迫られる可能性があります。それに多くの人が入れ替わり立ち替わりするせわしない会場内は、とてもじっくりと「商談」する雰囲気にありません。一目で来場者を惹きつける力のあるコンテンツメーカーはインパクトで勝負できますが、じっくりと自分の価値を売り込まなくてはならないクリエイティブワーカーにしてみれば、「種は撒まいたけど、結局そのまま腐って実にならない」という事態にもなりかねません。

 もちろんこれらデメリットを理解した上で、クリエイティブワーカーが出展しているなら何の問題もありません。それに普段はクリエイティブワーカーであっても、自身のコンテンツ力に自信があるのなら挑戦してみる価値はあります。とは言え、イベントの趣旨や来場者ニーズを見誤って出展してしまった出展者がいないとも限りません。もしそうだとしても、それは自身でちゃんとリサーチしておくべき問題であって、主催者を責める話ではありません。準備期間と拘束時間、それに営業ツール制作費や出展料など、それなりの時間と安くない金額を投資するのですから、主催者の甘言に惑わされないためにも、これぐらいのリサーチは当然しておくべきだし、理解しておくべきです。

 結論としては、「コンテンツメーカー」にとっては、大きなチャンスが眠っているかもしれないイベントなので、前向きに出展を検討すべきでしょう。そうではなく、ただ案件の受注機会を増やしたい「クリエイティブワーカー」であるのなら、このイベントの趣旨と来場者のニーズ、費用対効果を勘案して、慎重に出展を検討すべきだと思います。私はと言えば「クリエイティブワーカー」ですので、この『クリエイターEXPO』に(グラフィックデザイナーとして)出展するメリットはないな、と感じました。クリエイティブワーカーは、これとはまた違う営業の方法がありますので、そちらを優先させます。

 以上が私の個人的な感想並びにレポートです。このレポートを参考にしていただくのは一向に構いませんが、実際に出展したクリエイターのレポートもぜひ参考にしてみてください。そこには様々なレポートがされていると思いますが、チラシや名刺を配り切ったとか、楽しかった、有意義だった、来訪者に対する謝辞などは「成果」ではなく「感想」です。『クリエイターEXPO』はビジネスの場である以上、費用対効果の具体的な「成果(損益)」で語られるべきなのですが、そうでないレポートも数多く見受けられます。この業界「話だけで終わる話」も多いので、「問い合わせや引き合いがあった」だけでは何の意味もありません。そういった、「語られていない成果(損益)の部分」を推察しつつ、様々な肯定的・否定的情報を熟考の上、当然のことながら出展する・しないの判断は自己責任でお願いいたします。

 なお、pixivやTwitterでお見かけるするイラストレーターさんが出展されていましたが、あくまで「ビジネスの場」である以上、安易にお声かけするのはご迷惑をおかけすることにもなりかねず、不適切だと思い自粛させていただきました。何卒ご了承ください。