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誰も写り込まないタイミングを狙って撮った大和の1/10模型の艦橋部分。惚れ惚れするぐらい美しい。

 長めに取ったお正月休みを利用して、広島に住む友人に会いに行ったついでに呉まで足を伸ばし、念願の「大和ミュージアム(呉市海事歴史科学館)」に行ってきました。

 昨今の『艦これ』ブームを反映してもっと混雑していることを予想していたのですが、この日は平日だったこともあったのか、混雑もなくゆっくりと展示物を見ることができました。メイン展示の大和の1/10模型ですが、非常に美しく精巧にできてはいましたが、やはり「プラモデル感」はぬぐえませんでした。これはお台場のガンダムを見たときも感じたのですが、いくら実物を忠実に再現したといってもしょせんはレプリカです。本物の迫力にははるかに及ばないでしょう。坊ノ岬沖の海底に眠る大和の残骸を引き揚げることがご遺族にとってどう感じられるかはわかりませんが、やはり「一部でもいいから本物が見たい」と思ったのは紛れもない本心です。とにかく、全体的に模型展示が多かったのは気になりました。ゼロ戦や回天など、大和以外では実物の展示はありましたが、肝心の大和に関する実物はあまりなく、主に「遺品」と呼ぶべきものが多かったな、というのが私の印象です。

 それに『宇宙戦艦』がそこにあるのも違和感を感じました。観光施設である以上、幅広い客層の集客を考えなければならないのは理解できるのですが、フィクションはフィクションとして語るべきものであって、あの場にはふさわしくないと思いました。

 ほとんどの日本人は大和の存在を知っているし、そしてその最後が悲劇的だったのもよく知られています。大和ミュージアムは慰霊や鎮魂の場ではありませんが、その悲劇性ゆえに館内全体に漂うある種の「軽さ」が気になりました。昨今は子供が怖がる(からと大人がクレームを入れる)のであまりおどろおどろしい展示は忌避される傾向にありますが、だからと言って何でもかんでも「軽く」すればいいというものではないと思います。だったらどうすればいいんだ?と問われれば答えに窮しますが、もっと大和という軍艦を、そして戦争の時代を追体験できるような、そんな方向性を考えるべきではないかと感じました。