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 「同人誌」と言っても、いわゆるコミケなどで頒布されるアニメや漫画などの「アニメ同人誌」ではありません。有志が自身の創作物を発表する、本来の意味での「同人誌」です。

 2003年頃、私はあるアマチュアバンドに参加していて、あちこちのライブハウスやイベントで精力的なライブ活動をしていました。そんな時、あるイベントでプロモーターのF氏と知り合います。そのF氏はプロモーターと言ってもプロとして活動しているのではなく、アマチュアに活動の場を提供しようと、本業の傍らライブ企画やイベント、展示会などの企画を立案、実行されている方でした。特徴はその参加費の安さです。本業としていないので利益を出す必要がなく、経費と打ち上げ代と自分の手数料程度の売り上げがあればいい、という考えの方でした。参加するアマチュアバンドやアマチュアクリエイターは若い方ばかりで、私などはかなり年上の部類だったのですが、F氏の考えに共鳴し、年齢も近かったこともあり、一時期はしょっちゅう連絡を取り合っていました。

 そのF氏から「今度同人誌として詩集を出すことにしたので、参加してみないか?」というお誘いを受けました。私はアマチュアバンドに参加しながら、ソロ向けに楽曲制作も行なっていたのですが、楽曲向けでない歌詞が何編かあり、それをいつか歌詞ではなく詩集としてまとめ自費出版したいと考えていました。ですのでF氏のこのお誘いを二つ返事で引き受け、その同人誌に参加することにしたのです。

 制作期間は忘れてしまいましたが、おそらく1ヶ月程度だったと思います。掲載する詩はすでに完成していたので、問題は「どのような形で載せるか」だけでした。F氏からはB5の原稿用紙(つまり版下)をそのまま印刷すると聞かされていたので、その紙面をどう使うかは自由だったのです。イラストやフリーペイントで紙面を埋めることも考えましたが、おそらくそうする方は多いだろうと考え、プロらしく(笑)プロの手法を駆使することにしました。それは「フリーの画像素材でコラージュを作る」という手法です。カッコよく、しかも他の方との差別化をしたかったので、文章の背景は全て黒にし、そこにフリー画像を「それっぽく」コラージュしました。画像はもちろん自分でストックしておいたものを使ったのでタダです。レイアウトはinDesignで組み、印画紙に出力したものをF氏に渡しました。つまり経費は参加費と印画紙出力代だけだったのです。

 しばらくして完成した80ページほどの同人誌がイベント会場で配られました。参加者は私を含めて8名だったのですが、F氏には「自分の作品だけ異質になるだろうから最後のページにしておいて」とお願いしておきました。その約束通りに最後に掲載されていて、ほっと胸をなでおろしました。予想通り他の方の作品はフリーハンドや手書きなど、手作り感のあるものばかりだったからです。

 これが私の「初同人誌」です。今はイラストを描きますので、次はイラストで同人誌を出したいですね。詩はもう書いていませんが、ボーカロイドを使った楽曲制作はしていますので、歌詞は書いています。そしてもうひとつ、このブログとは別で続けている趣味のブログもかなりの文章量になりました。そちらもいつか同人誌にまとめられたら、と考えています。なんだかやりたいことだらけですが、もう年齢も年齢ですしライフワークと割り切って、いつかは全て実現させたいですね。