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 Appleやスティーブ・ジョブズに夢を見ている諸氏に贈る「冷や水ぶっかけ記事」第三弾(第一弾第二弾も合わせてどうぞ)。

 現在では当たり前になったインターネットの無線接続、いわゆる「WiFi」ですが、その先鞭を切ったのもやはりAppleでした。AppleはWiFiの普及を狙い1999年7月にその名称を「AirMac(海外ではAirPort)」とし、「有線接続などもう古い、これからは無線でどこでもインターネットだ!」とぶち上げたのです。そしてそこに登場したのはまるでUFOのようなAirMacベースステーション。これと本体側にAirMacカードさえあれば無線でインターネットが楽しめるのです。

 当時私も複数台Macを所有し、その内2台はノートタイプだっためにこの無線LANにはすぐ飛びつきました。確かに無線の恩恵は大きく、バッテリー持ちの問題から往々にして電源は有線接続でなければならなかったにせよ、コードが一本で済むという気軽さは何物にも代えがたいものでした。しかし、やはりそこはスティーブ・ジョブズ。そう簡単にユーザーに利便性だけの享受はさせません。そう、このAirMacベースステーション、かなりの確率で故障したのです。原因はいわゆる「コンデンサー抜け」と言われる症状で、コンデンサーが熱を持つことによってぷっくりと膨らみ、機能しなくなるのです。原因は筐体内部の熱処理の不十分さで、連続使用しているとどうしても内部に熱がこもってしまうというものでした。ですので連続使用が前提の無線WiFiのルータ兼アンテナでこの弱点は致命的。そう、この「UFOデザイン」のおかげで。そうなると再びあの叫びを繰り返さなければならないのでした。

 つまり、ジョブズの「見てくれ>実用性」思想の犠牲になったんですね、故障のたびにコンデンサーを買いにアキバに泣きながら走って(泣)。

 そんなバカみたいな修理を何回か繰り返し、うんざりした私は次のバージョンアップ版(筐体が白に変更)を「どうせ根本的な解決には至っていない」とスルー。デザインが見直された単なる四角い箱である「 AirMac Express ベースステーション」とコンセントに直接刺せるタバコの箱型の「AirMac Express」を導入しました。しかしここでもジョブズの「見てくれ>実用性」思想の犠牲になってしまいました。つまり、デザイン優先であったためにWiFiの電波が弱くて繋がりにくたったのです(泣)。

 そんなAppleに2017年になってやっと見切りをつけた私は現在、BUFFAROの無線ルーターで快適なWiFi生活を送っています。えっ、見てくれ?そんなのもは気にしてはいけません。WiFiは繋がらなければ意味がありませんので。

 なあスティーブ、今度はどんなデザインで俺たちを驚かせて、どんな問題で俺たちを困らせてくれるんだい?(もういないけど)