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復原された東京駅。photo:写真AC

 今ではすっかり「首都東京の顔」「東京の観光名所」となった東京駅ですが、私はわざわざ記念写真を撮る人など皆無だった復原前の東京駅の頃から大好きでした。

 東京駅の詳細については、いわゆる「鉄オタ」さんたちにおまかせするとして、「赤レンガの東京駅を愛する市民の会」という会をご存知でしょうか?この会は作家三浦朱門氏、女優高峰三枝子氏を筆頭代表とし、東京駅赤レンガ駅舎の保存を訴えるために設立されました。主な活動内容は署名集めと政治家への嘆願でしたが、ご存知の通り東京駅は建設当初の姿に復原され、この会は解散しました。

 この会の趣旨には賛同していたものの、署名活動などへの参加はしませんでした。その理由は「どうせ無理に決まっている」と思っていたからです。当時、丸の内駅舎の高層ビル化計画がJRから公表されており、JRは旧国鉄時代の巨額の債務を抱えていたこともあり、経済的合理性、赤レンガ駅舎の維持や復原にかかる巨額の費用を考えればJRの判断も止むなし、と考えていたからです。しかしその予想は嬉しい方向に裏切られ、1999年に当時の石原都知事により「東京駅は創建時通り復原」と発表され、ずいぶんと驚いたものです。

 現在東京駅の前を通りかかると、多くの観光客が赤レンガ駅舎での記念撮影を楽しんでいます。駅前広場も整備され、都心とは思えない心地よい空間が広がっています。ただ、残念なのは駅舎前左右にある換気塔がその雰囲気を壊していること。以前はもっと高かったのですが、景観を考え低くしたのは評価できます。しかし、やはりこの場所には何もないのがベスト。構造的に難しいのは百も承知ですが、将来撤去されることを心より望んでいます。

 余談ですが、この東京駅とは真逆の「醜悪な歴史」を辿っているのが西の大都会大阪の玄関口である「大阪駅」。行き当たりばったりのつぎはぎだらけな醜い姿を晒し続けています。大阪にも中之島公会堂という文化的価値のある建物があるにはあるのですが、数は非常に少ないです。JR西日本はJR東日本を見習って、大阪駅の文化的価値を高めるためにも、ぜひ二代目駅舎の姿で再建していただきたいものです。