IMG_0811
結果は0-4で青森山田の完勝。強すぎでした。

 本来なら、東京オリンピック2020で「競技はなんでもいいから新しくなった国立競技場に行ってみたい」と思っていたのですが、それは不可能になってしまいました。ですので、その代替イベントにサッカー天皇杯決勝を考えていたのですが、昨年の天皇杯は繁忙期の年末でこれまた断念。今度こそと高校サッカーに狙いを定め、去る1月10日、やっと新国立競技場入場を果たすことができました。

 入場してまず思ったのは「鉄骨を主体とした簡素な作り」ということです。これは度重なる設計変更とその影響による工期の短さ、予算削減が求められた結果だと思います。ですが、これは裏を返せば柔軟に改装ができるということですし、変化の早い今の時代に即していると思います。この辺りは環境負荷軽減という考え方を示しているようで、個人的には好感を持ちました。確かに「貧相」という批判もわかりますが、コンクリートでガチガチに固めて作ってしまうと壊すのも大変だし、コンクリートの冷たい圧迫感は旧時代的に思えます。もうそんな時代じゃないですね。

 席に着いてみると、全体的に意外とコンパクトな作りなのに驚かされます。主観ですがピッチが近く感じました。横国(横浜国際総合競技場、もしくは日産スタジアム。横酷と揶揄される)に比べると格段に観やすいです。まあ収容人数が4千人少ない(国立6万8千人、横国7万2千人)からと言えなくもないですが、横国はとにかく遠くて観にくいという印象しかありません。その座席ですが、席の前後が狭く通路に出るまで大変という話もありました。ですが、まあこんなものかな、という気がします。東京ドームの外野席はもっとひどいですからね。それよりも足元(座席下)にそこそこの空間があり、そこに荷物を押し込んでおけば、迷惑にならないんじゃないかと思いました。

 屋根は座席を全て覆うようにせり出していますので、雨の日でもそんなに濡れずに済みそうです。横国は(風が強いと)屋根の意味はあまりありません。埼スタもアッパー以外は意味をなさないでしょう。こんなに屋根を感じるスタジアムはドーム球場以外では初めてです。一時は屋根でスタジアムを全て覆う予定だったというのも頷けますが、まあでも屋根はなくていいと思います。開放感も大切ですからね。試合では声出し応援はNGだったのですが、観客のどよめきが屋根に大きく反響していました。声出し解禁になれば一体感はかなり感じるのではないかと思います。

 構造は1層目と2層目の間にあるコンコースが地上レベルで、1層目とグランドは地下、つまり掘り下げられています。グランドが地下2階、観客席1層目が地下1階、2層目は2階、3層目が3階とイメージすればわかりやすと思います。1階コンコースはあまり広くありません。そもそも敷地が狭いです。よくこの敷地に7万人近い観客を収容できるスタジアムを作ったな、と思います。ザハ案がいかに現実離れしていたか、現地に行ってよく理解できました。

 まだオープンして日が浅いので最低限の設備しかなく、まだまだ改良・改善の余地は多いとは思いますが、私は好印象を持ちました・・・というか、もう横国には行きたくないです(笑)。日本代表や大きなスポーツイベントは国立でいいんじゃないでしょうか。トラックは潰さなくていいでしょう。現状でもフィールド競技はまあまあ観やすいです。横国は災害対応拠点機能を残して専スタにし、マリノスにでもあげてください(笑)。

 肝心の試合はあちこちで報道されている通りですのでここでは触れません。ここで試合できなかった辞退の関東一高はとても残念ですが、全国の高校生が目指すべき「聖地」となるにはもう少し時間が必要かと思います。ですが、必ずそうなると思います。そう感じさせるほど「なかなか良い」スタジアムだと私は思いました。