
4月になって、ニューフェイス(新人)向けのプロモーションが花盛りになりますが、長年のAdobeユーザーで、Illustrator(イラレ)で仕事をしている私でも看過できないプロモーションをAdobeがTwitter上やらかしました。
試しにTwitter上で「#Illustratorでスキルアップ #Illustratorで副業」で検索をかけてみてください。そこに現れるプローモーションツイートは漫画を4枚の画像にし、アップしたものです。内容はイラレを覚えると、さも簡単に営業成績がトップになったり(笑)、収入(報酬)を得られるかのように扇動するものですが、もちろんそんな夢物語などほぼ100%ありません。バリバリにイラレを使い込んでいるベテランユーザーでさえそれは非常に難しいことなのです。世の中そんなに甘くはありません(まずパワポの図形ツールを自由自在に操れる程度のスキルが必要で、その100倍以上イラレは難しい)。
もちろんAdobeはそんなこと百も承知です。では、Adobeの真の目的は何なのかというと、ずばり「解約忘れ商法」にあると言えます。なぜなら、イラレの無料試用期間はたった一週間しかないのです(以前は一ヶ月だった)。プロモーションに騙されてユーザー登録し、あまりの難しさに即挫折。そのまま放置すればあっという間に一週間です。するとサブスクの月額2,728円がまんまとAdobeの懐に入るという寸法です。まさに「素人だまし討ちして丸儲け」と言わんばかりです。よくもこんなあざといプロモーションにゴーがかかったものだと思います。Adobeの殿様商売社風丸出しと言ってもいいでしょう。
もちろん、我々プロはイラレで稼がせてもらっているので、サブスクを払い続けることにやぶさかではありません。ですが、そのお金がこんなくだらないプロモーション、しかも言っては悪いですがLogoをRogoと誤植する程度の低レベルの画力しかない漫画のギャラに使われるなんて、全くもってユーザーを馬鹿にしています。以前も書きましたが、我々はAdobeのユーザーであってファンではないのです。Adobeは自社がAppleと同列とでも思っているのでしょうか?知名度とブランド力は違うのです。Adobeのロゴが入ったTシャツを好んで着るのは社員か、お抱えの太鼓持ちくらいなもんです。根本から自社の立ち位置を勘違いしているとしか言いようがありません。
プロモーションをするなとは言いません。ですが、こんなユーザーの神経を逆なでするような広告は金輪際辞めていただきたい。Adobeの最大の問題はユーザー目線の欠落にあるのです。だからセミナーの後の会場の周りのゴミ箱に、セミナーで配ったチラシが突っ込まれるのです。「アドビ税」と揶揄されるのです。その意味を、Adobeはもっと真摯に受け止めるべきだと私は思います。
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