java
上記のWebsiteからダウンロードできます。

 イラレを仕事で使っている人(主にデザイナー)にとって、イラレのバージョン違いは頭の痛い問題です。Adobeはイラレのバージョン間の互換性を完全には実現していないからです。具体的に言うと、例えばドロップシャドウです。これはデザインする上で欠かせない機能ですが、CS6でドロップシャドウを使って作成したデータをCS5にバージョンダウンして保存、それをCS5のイラレで開くと見た目上は完全に再現されますが、データ上ではドロップシャドウの数値指定は消えてしまいます。つまり、いったんCS5で保存してしまうとドロップシャドウの数値をいじりたいと思ってもできないのです(当然ですが、CS6で作成、CS6で保存、再度CS6で開く場合は問題ありません)。

 こういったデータ互換の問題は、印刷の際にトラブルの元になりかねません。データの不備によって印刷に不具合が起こると、その損失は少なくても数万から最悪数百万になってしまいます。そのため印刷会社では厳しくイラレのバージョンを指定しています。現在、大手はCCに対応していますが、中小はCS5〜6、ひどいところになるとCS3というところもまだまだ存在します。なおかつデータはすべてMac版になります。バージョンの互換でさえ苦労しているのに、そこにWinのデータなど持ち込めるはずがありません。広告・印刷業界でMacが必須と言われるはこういった現実的な事情があるからです。「スタバでドヤ顔Macしたいから」などというオメデタイ理由ではありません。

 そのため、私は現在もCS6をメインに使っています。CCもいったんはインストールしたのですが、同一マシン内にCS6とCCを同居させると不具合が起こる場合があるので、現在はアンインストールしています。ところが、最新のmacOS「Sierra」ではCS6が使えなくなったのです。CS6をメインに使っている私にとってこれは死活問題です。そういった理由から、長い間OSのバージョンアップができずにいたのですが、最近になって「SierraでもIllustrator CS6が使える」という情報が入ってくるようになりました。ですので、まずは予備のMacBook AirからSierraにアップグレードしてみることにしました。

 結論から言いますと、上記の「Java for OS X 2015-001」をインストールすることによってとりあえず動きます。というわけで、「SierraでCS6が使えない」という心配はなくなりました。しかし、このSierra、El Capitanと何が違うのでしょう? Siriが搭載されただけ? 最近のAppleはMacにあまり積極的ではないですが、あまりの違いのなさにやる気を疑ってしまいます。まあそれだけ完成されたプロダクト、と言えなくもないですけどね。

2017年9月29日追記:macOS 10.13 High Sierraでも同様に「Java for OS X 2015-001」をインストールすることによって動くようですが、環境によっては多少の不具合も出るそうです。