keyboard-338507_960_720
photo:pixabay

 以前、雑誌広告用にTAC値の下げ方を記事にしましたが、新聞広告はさらにシビアで、インクの総量が240%以下でないと入稿を受け付けてくれません。ずいぶんと久しぶりの新聞広告入稿で戸惑ってしまったので、その方法を備忘録も兼ねて記事にしておきます。

 まず、日本広告業協会が配布している「N-PDF設定ファイル」(PDF作成用/プリフライトプロファイル)をダウンロードし、PDF作成用はイラレに、プリフライトプロファイルはAdobe Acrobatに読み込ませておきます。

 次に画像のTAC値を240%以下にする方法です。

(1) Photoshopを立ち上げて「編集→カラー設定」でカラー設定ダイアログを開く

(2)「作業用スペース」の「CMYK」のプルダウンメニューで「カスタムCMYK」を選んでカスタムCMYKダイアログを開く

(3)「色分解オプション」でラジオボタン「UCR」を選び、黒インキの総量を70%、インキの総使用量の制限を240%」に設定する

(4)「OK」「OK」で2つのダイアログを閉じ、TAC値を下げたい画像(RGB)を開く

(5)「イメージ→モード」でRGBからCMYKに変換し、別名保存。


 以上でTAC値を240%以下にした画像が用意できましたので、それをイラレのレイアウトに貼り込んでPDFを作成します。PDFは読み込んだPDF作成用(N-PDF・・・・)を選択して作成します。ただ、この方法だと使用インク量をがっつり下げてしまうので、前回ご紹介した雑誌広告用のTAC値の下げ方より色調の変化が大きい(PDFの見た目上)です。ですが、ルールはルールですのでこの点はしっかりとクライアントに了承を取っておく必要があります。

 次にAdobe Acrobatによるプリフライトチェックの方法です。

(1)Adobe Acrobatで入稿用PDFを開き「編集→プリフライト」を選択

(2)プリフライトダイヤログから「取り込まれたプロファイル」の内、該当するプロファイル(N-PDF・・・・)を選択し、「解析」をクリックする。

(3)解析結果でエラーが出ていないか確認する。

(4)「レポートを作成」をクリックし、解析結果のPDFを保存する。


 以上で入稿用のPDFに解析結果のPDFを添えて入稿すれば良いのですが、ここからちょっとつまずきました。なんと解析結果によるとTAC値が240%を超えてしまっていたのです。レイアウトのどの部分が240%を超えているのか?それをAdobe Acrobatで調べることにしました。

(1)Adobe Acrobatで入稿用PDFを開く

(2)「印刷工程→出力プレビュー」を選び、出力プレビューダイアログの一番下、「領域全体をカバー」にチェックを入れて240%を選ぶ

(3)240%をオーバーしている部分がグリーン色で表示される。


 これによると、文字を読みやすくするために画像の上に敷いた乗算のスミアミ部分で240%を超えてしまっているようです。まあ、当然といえば当然ですので善後策を考えます。結論はイラレでスミアミを載せるのではなく、画像に直接スミアミを載せるという方法。というか、これしかありません。早速Photoshopで画像を開いて該当部分にレイヤーでスミアミを追加。レイヤーを合体させた画像で同じようにTAC値を下げた画像を作成します。そしてその画像を現在の画像と差し替えます。もちろんイラレ上のスミアミは消去します。

 これで万事OKかと思いきや、担当者から「すいません、念の為にモノクロ印刷用のPDFが別途必要なんです・・・」との連絡が。うーん、そんなルールになったのかと思いつつ、カラーの入稿用PDFをAdobe Acrobatで読み込み、モノクロ(グレースケール)のファイルを作成します。

(1)Adobe Acrobatで入稿用PDFを開く

(2)「印刷工程→色を変換」を選び、色を変換ダイアログの「変換のプロファイル」で「Dot Gain 15%」を選択し、「変換のオプション」の「黒を維持」にチェックを入れる

(3)「OK」をクリックするとモノクロのPDFに変換され、それを別名保存する。


 これで作業は終了です。入稿用PDF、予備のグレースケールPDF、プリフライトリポートPDFの三点を担当者に送信して入稿は完了しました。

 私は販促ツール(ポスターとかチラシとはパンフとか)のデザインが主で、媒体広告の作成はごくたまにしかしませんので、久しぶりだとその度にルールが微妙に変わっていたりして戸惑うこともしばしば。そのための単なる備忘録記事ですが、同じようなトラブルで困っている方のお役に立てれば幸いです。



無料イラスト素材【イラストAC】