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Adobe Illustrator、Photoshop、InDesignのCS6

 AdobeがCS6(初期のインストール版CCを含む)を2023年1月31日からインストールできなくするよ、とアナウンスしたものの、再延期になったようです。この「ライセンス認証できなくする」というのは、最初にDVD-ROMからPCにAdobeソフトウェアをインストールした際、シリアルナンバーを入力しなければならないのですがそれだけではダメで、初起動時にネット上の情報と照合して正規ユーザーであるかどうか「ライセンス認証」し、それをクリアすれば使用できるようになるというものです。

 つまり「使えない」とは「インストールしても起動できない」という意味であって、すでにライセンス認証を済ませている場合には、引き続き使用できるということなのですが、PCを買え変えたりHDD(SSD)を交換するなどして再インストールが必要になった際、もうインストールできないし、できたとしてもライセンス認証が通らないので起動できないということになるのです。では、なぜAdobeはこの「ライセンス認証停止」の期限を延期し続けているかというと、これは予想ですが世界中のCSユーザーからクレームが殺到しているんだと思います。

 CS6はサブスクリプションではなく、買取形式で使用できる最後のバージョンです。大手はともかく、中小企業や個人で使用しているユーザーは大量に存在するでしょう。そういった方々にとって、当座は使えたとしてもPCに何かトラブってしまうと金輪際使えなくなるというのは、下手をすると(下手をしなくても)死活問題になりかねません。また、CS6で出力システムを組んでいる場合でも同様です。看板やカッティングシートの業界で「CS6のファイルでください」という業者はまだまだ存在するのです。

 昔、マイクロソフトが幅広く普及していたWindows XPのサポートを止めると案内した時に大混乱がありましたが、それを彷彿とさせます。さて、これからAdobeはどうするのでしょうか? これを契機にCS6を買い切り版として再リリース・・・なんて気前の良いことはしないでしょうね。Adobeだけに。



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