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「偽装フリーランス」とは・・・事業主と雇用契約を結ばない「フリーランス」でありながら、働き方の実態から労働基準監督署が労働基準法上の「労働者」に該当すると判断した人(引用:Yahooニュース/2024年6月10日)ということですが、いまいちピンときません。それはこの言葉が労働者側からの視点なのか雇用側の視点なのかはっきりしないからです。労働者側の視点だと「事業主扱いされた雇用労働者」、雇用主側からすると「事業主扱いした雇用労働者」。つまり、本来雇用労働者扱いすべきなのに事業主(フリーランス)扱いにし、本来雇用者が労働者に対して社会保険などを負う義務を放棄して「安く労働力を確保する」という意味です。それを「雇用者が労働者をフリーランスに偽装して搾取している」すなわち「偽装フリーランス」ということなのですが、それを言うなら「フリーランス(個人事業主)偽装」というべきです。
私はそのフリーランスをもう30年以上続けいていますが、フリーランスとは事業主なので
(1)仕事を請け負うか断るかの主導権はフリーランス側にある
(2)複数の案件を請け負う自由がある
(3)仕事をする時間や場所を自分で自由で決められる
の条件をクリアしていないとフリーランスと名乗ってはいけないと思っています。よくあるのは出勤・退勤時間や業務の場所を雇用側が強要する「客先常駐フリーランス」という雇用形態で、これは実質「契約社員」と言うべきものです。今問題になっているのはこの形態だろうと思います。でもそうしている人は絶対「契約社員」とは名乗らず「フリーランス」と強弁します。もちろん「フリーランス」と名乗る方がカッコいいからですが、こういう心理を雇用側は上手く突いてまんまと搾取するんでしょうね。
まあ、フリーランスのデザイナーは自宅で仕事をするのが日常ですし、いつ仕事をするかも締め切りさえ守れば自由に決められます。ですのでどう足掻いてもフリーランスでしかないのですが、(1)の権利は現実的にないですね(笑)。私は「来るもの拒まず去るもの追わず」ですので。