フォント比較
ここまで印象が似ていればMB101はNoto Sansに、A1明朝はしっぽり明朝に代替できますね。

 最近、某超大手不動産会社の本社まで打ち合わせに行ってきました。ポスターの制作案件だったのですが、クライアントの担当者から「テイストは前作に合わせて欲しい」との指示がありました。見せていただいた前作品はモリサワのMB101が使われていたので、脱モリサワ中の私はちょっと困ってしまったのですが、帰宅後に頂いたイラレデータを開いたところMB101だと思っていたフォントは、なんとGoogleフォントの「Noto Sans」だったのです。つまり、超大手不動産会社でさえモリサワフォントを使わなくなってきてるんですね。

 それとは別に、現在某大手アパレル会社のECサイトのバナーデザインを担当しているのですが、そこで指定されたフォントも全てGoogleフォントでした。Webデザインの世界では、モリサワフォントを使わないのはほぼ常識となりつつあるようです。

 その要因として考えられるのは

・「MORISAWA Fonts」に強制移行(実質値上げ)に対する反発

・内制と外注とのトンマナを統一したいクライアントの意向

・Googleフォントを筆頭にしたフリーフォントの充実


などですが、今後この傾向は強まることはあっても、弱まることはないと思います。つまり、今後どんどんフリーフォントが充実し、ますます企業の内制化が進めば、わざわざフォントにお金を払うという意識は薄れるばかりだということです。近年広告業界では「モリサワフォントは使わない」という共通認識ができつつあるように思います。近い将来には「フォントはタダが常識」という時代がやって来るでしょう。

 ただし、出版業界では根強いニーズがあります。確かに長年培ってきた文字組した際の美しさや、外字など特殊文字にも対応した専門性の高さはモリサワに一日の長があります。出版界が脱モリサワするにはかなり時間を要するだろうし、ひょっとしたら出版・書籍専用フォントメーカーとして細々と生き残っていくかもしれません。まあ、それはそれで良いとは思いますが。

 私がモリサワが嫌いな理由は、兎にも角にも「モリサワパスポートの廃止」と「『フォント男子』なるユーザーをバカにしたプロモーション」のせいです。前者はOSのバージョンに依存せず使えたメリットを自ら放棄してしまい、後者に至っては高いモリサワ税を払わされているユーザーの心象を無神経に踏みにじったからです。こういうサブカルごっこはユーザーが楽しむべきものであって、メーカーが楽しむものではありません。こんな「腐った」プロモーションの原資に我々のモリサワ税が使われたのかと思うと、ハラワタが煮えくりかえる思いです。ですが、こんどは貴社の番です。せいぜい自らの凋落っぷりを痛いほど身にしみていただけたらと思う次第です。