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 2025年6月5日、Nintendo Switch 2(ニンテンドースイッチ 2)が発売され、入手できた人、できなかった人、暗躍した転売ヤー、それを批判する人・・・悲喜こもごもで話題になっていますが、ゲームに全く興味のない私はロゴについてちょっと語ってみようと思います。

 このロゴ、ゲーム機のコントローラーをシンボライズしたのは一目瞭然ですが、実は非常に繊細な「微調整」が施されています。まず左右のコントローラーの幅。右側は左側に比べて小さくなっているのがわかるかと思います。これは左側をポジ、右側をネガ状態で表現した際に起こる「視覚的な大きさの差」を解消するためにわざとそうしているのです。結構大きなサイズ差ですが、これぐらい差をつけないと人間の目には左右の大きさが同じに見えないんですね。これをデザインした人(チーム)は微調整に微調整を重ねてこのサイズに辿り着いたのだと思いますが、それそれはコンマミリ単位の非常に神経を使う仕事だったと思います。ロゴデザインはデザインを設計することに他なりませんが、全てを数値で正確に決めることは出来ません。このように数値には表せない「感覚」も考慮しなければならないのです。

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ロゴのベクターデータを線で表示し、重ねてみました。(青線が左、赤線が右)

 更に言えばボタンを表す丸のサイズも微妙に違います。これも微調整をした結果こうなったのだと思いますが、この「感覚による微調整」が苦手なデザイナーは数値や論理に頼りすぎて、視覚的に「なんかちょっと変」っていうデザインをやりがちです。例えばユニクロで有名なあの方や、東京オリンピックのロゴで学生みたいなデザインをし、おまけにパクリ疑惑で降ろされてしまったあの方なんかがそうです。また、以前「買収しておきながら、そのブランド価値を自ら葬り去ったカインズの「ハンズ」の新ロゴは、曲線のパスが不自然で「イラっ」とします」の記事でご紹介した。東急ハンズのロゴも「感覚による微調整が甘いロゴ」の例に挙げられるでしょう。今秋開催される世界陸上東京のロゴはデザイン自体は悪くないのですが、右の日の丸が少し上に上がって見えるのが気になります。

 では逆に「感覚による微調整」が優れたロゴも挙げておきましょう。現在開催中の大阪万博のロゴや採用された東京オリンピックのロゴはそうですね。丸や三角、四角などの矩形を組み合わせたものよりも、ランダムに不定形を並べる方が難易度は高いです。

 というわけで、こういう細かい点からも「任天堂の凄さ」「任天堂の本気度」が伝わってきますが、今回のNintendo Switch 2での転売対策も他の企業より一歩踏み込んだものだった、というのも頷ける話ですね。